スティーリー・ダン大事典 [シンコーミュージック]
2020 シンコーミュージック
●落ち着いた大人のバンドなので無彩色でまとめました。このようなデータ的な内容の本は威厳を感じさせることも必要なので、使用する日本語の書体は格調の高い明朝系が中心になります。別にそういった決まりがあるわけではありませんが。
THE DIG Special Edition ジョン・ウェットン [シンコーミュージック]
見て楽しむアナログ・シンセ図鑑 [シンコーミュージック]
2018 シンコーミュージック
●アナログ・シンセサイザーを愛好するという極めてニッチな需要に応えた本です。横使いのB5版というコンパクトな誌面に、物によってはタンス大のシンセサイザーを押し込むという難しくも面白い課題です。スイッチ類が整然と並んだ外観を持つシンセサイザーは、ストレートに見せるだけで充分インパクトのある素材なのでダイナミックにレイアウトすることのみを考えレイアウトしました。賑やかしのツマミを回す手のイラストは、自分の手を写真に撮ってトレースしました。想定される購買層の年齢に考慮し、この手のデータ本としては文字類を比較的大きめに組んであります。カメラマンの矢島崇さんが歪みのないハイクオリティな画像を用意してくださり、とても気持ち良く作業ができました。
ヒプノシス全作品集 [シンコーミュージック]
2018 シンコーミュージック
●既に出版されている英語版の翻訳本です。デザイン・レイアウトは変更不可なので帯以外は自分の仕事といえないのですが珍しい体験だったので備忘録的にアップしました。原盤の画像データをそのまま使うために香港で印刷します。英語版のオリジナルデータを預かり、翻訳された日本語に置き換える作業をします。原文と同じ文字サイズでは小さく感じてしまうので日本語では若干級数を上げ(写植世代なのでポイントではなくQ数を使います)行間の調整により動かせない文字スペースとの辻褄を合わせます。見出し類には日本語だと明らかに大きすぎるものもあり一部かなり小さくました。このニュアンスの違いが面白いです。
書体は英数字はオリジナルのものと揃えたかったのですが提供は不可とのことで全て小塚Gを使いました。全ページ置き換えたら画像をはずし、文字をグラフィック化したものを印刷用pdfに変換します。そうして出来上がった極めて軽いデータを香港に送ります。現地で画像のみを残したオリジナルデータに日本語本文を貼り込んでもらうという段取りでした。元々イギリスで作られたインデザインのデータをこちらで上手く扱えるのか不安でしたが杞憂でした。ほぼノートラブル。楽譜が世界共通であるように現在のデザイン作業も国や言語を越えますね。オリジナルはとてもカッチリとできたクリーンなものでしたが、わずかにゴミの取り忘れなど「あるある」的なエラーもあり和みます。プログレに嵌まった高校時代から強い印象を残し、ある意味随分世話になったデザイン集団の本です。ここまで興味深い仕事も珍しいものでした。